ESD/SDGsへの取り組みとカーボンニュートラルを目指す新校舎について
岡山商科大学は、環境に配慮した活動に早くから取り組んできました。その一つが、大学コンソーシアム岡山の枠組みで実施されている事業「エコナイト」です。当初はいくつかの大学で「省エネ活動」、「環境負荷の少ない交通手段の利用」、「ライトダウン」といった取り組みからスタートし、その後、参加校の数を増やしながら、奉還町商店街で環境について考える活動「エコナイト:奉還町イベント」として発展・定着し、現在に至っています。本学からは、中山間の6次産業化に貢献し環境負荷の少ない「アヒル農法」に関する出展や、地域資源を活用した特産品の販売、リユース品を景品に用いた「射的」を提供するなど、社会科学系の特性を活かした取り組みを行ってきました。
自治体との取り組みでは、2013年に岡山市との間に「ESD推進に関する協定」※を締結し、岡山ESDプロジェクトの実施や持続可能な社会づくりに向けての取り組みを行ってきました。※ESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)
ESDに関して先進的な取り組みを行ってきた「岡山市京山地区ESD推進協議会」が主催するESDフェスティバルに2013年度から参加し、市民や学生へのESDの理解の促進に努めてきました。2014年度には、岡山市の「アジアESD NGOネットワーク 国際ワークショップ」の運営協力も行いました。
それらの活動は、岡山市と2021年に締結した「包括的な連携協力に関する協定」の連携協力事項「Society5.0及びSDGs/ESDの推進に関すること」として引き継がれ、京山地区ESD推進協議会や京山公民館との協働は今も続いています。
創立60周年を記念して建築される新校舎にもESD/SDGsに繋がるカーボン・ニュートラルへの取り組みが行われています。新校舎は、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略)の考えを取り入れ、建物で消費する年間のエネルギーを、省エネや創エネにより可能な限り少なくすることにしています。一般にZEBでは、エネルギー消費量を削減することで、①光熱費の削減、②快適性・生産性の向上、③不動産価値の向上、④事業継続性の向上などのメリットが期待されます。
本学としては、学生が快適な環境で学べることが最大のメリットとなります。他に、教職員の満足度や業務効率の向上が期待されるとともに、新校舎は本学の新たなシンボルとして魅力の向上につながります。また、リスクへの対応力が強化され、災害発生時に地域住民が避難する拠点としての役割も担うことができます。これらは、SDGsが目指す「質の高い教育」「健康と福祉」「エネルギーをクリーンに」「働きがい」「住み続けられるまちづくり」等の目標にも貢献していきます。